2013年5月29日水曜日

Quartz-Seq用のライブラリ作製方法LIMprepにおける注意点

以前から配布しているシーケンスライブラリ作製の方法LIMprepのプロトコルに関してですが、これは微量なdsDNA用に作ったものでQuartz-Seq用のLIMprepでは若干プロトコルが違っています。ですのでQuartz-Seq用のLIMprepで間違いがおきないために配布します。よろしくお願いします。違うところは精製の部分です。

なぜ違うかは以下詳細です。
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Quartz-Seqでは増幅したcDNAをCovarisによって断片化していますが、理由があって非常にきつい条件で行なっており、短い断片化されたDNAが出てきます。論文にもちょっと書きましたが、原理的には短いトランスクリプト由来cDNAのほうが長いトランスクリプト由来cDNAに比べて、シーケンスライブラリ作製に有効な断片化DNAが出てきにくいという特徴があります。cDNAの両端はアミノ化されておりライゲーション反応にかからないよう設計されており、両端が断片化によって生まれたものがライブラリ作製にかかるという寸法であるので、長いDNAから二箇所切れるより、短いDNAから二箇所切れるほうが難しいというだけのことです。そのためできるだけ短いものからも有効な断片化DNAをえたいがために、きつい断片化の条件になっています。

短いトランスクリプトの検出感度上昇を期待しているということです。

Agencourt Ampure XPの通常の精製法では、短い断片化DNA < 100 bpはロスしてしまうため、Quartz-Seq用LIMprepではAmpure XPはサイズセレクションしか使っていません。またサイズセレクションですが、サイズセレクションしたい液のボリュームに対して当量のAmpure XPを加えるというのが一般的ですが、それでは短いインサート由来のシーケンスライブラリDNAが除かれてしまいます。DNAの分布が精製後変わらないように、1.2倍もしくは1.4倍のAmpure XPを加えるように改変しています。
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